動画ビットレート感覚

動画のビットレートは、動画視聴環境・満足度に大きく影響するものの、評価軸が画質となるため主観で判断するしかなく、それ故あまり語られることが少ない。

テレビのマスター機器の設定は地デジの仕様・MPEG2ノウハウの不足があり頻繁に変えられないことから難しいが、動画配信となるとH264であるし、しがらみもなく、ビットレートを任意に定めることができる。ただし、映像素材品質・映像素材種類・配信環境・エンコーダ圧縮性能・解像度・受信環境・求められる安定性をもとに適切なものを選ばなければならない。結局のところは自分の”ビットレート感覚”に頼らざるを得ない。

世の中のビットレート

 まずは、世の中で流れている動画ビットレートの相場を知るべきである。ということで調べた世の中のビットレート(自分・拾ってきたもの)を以下羅列する。

実測:地上波TS MPEG2


BS11 18Mbps MAX 22Mbps
BS民放系 13Mbps MAX 15Mbps
BSプレミアム 15Mbps MAX 18Mbps
地デジ本放送 13Mbps MAX 16Mbps
地デジカラーバー 2.4Mbps
地デジムービングカラーバー 5.5Mbps 

参考:BS4K・8K HEVC(H.265)


4K MAX 30Mbps
8K MAX 100Mbps

動画ウェブ配信 H.264 fullHD 30f

YouTube 9Mbps

Amazo Prime 16Mbps

ベースバンド

HDMI 60p 3.2Gbps
HD-SDI 60i 1.4835Gbps

 自分のビットレート感覚は

HLSの技術的問題は別途述べるとして、基本的にはビットレートは低いに越したことはない。

ちなみに今自分の設定するH264 720p30F の配信サービスにおいては、QVBRでMAX 500kbps 1.5Mbps 2Mbps の3ストリームとしている。

主観ではあるが、2Mbpsほどあれば動きが相当激しくなければ十分の地デジを上回る画質となり十分であると考える。つまりは地デジレベルを目指さなければ1.5Mbpsくらいで充分。

(もし10Mbpsくらいで投げられれるならば、最高の画質になりそう)

これはエンコーダの品質が優れているからであって、市販のエンコーダやPCでの配信(OBSなど)では、同等の画質を再現するには+1Mbpsほど必要であると思われる。

 

受信環境の話

いわゆる”ギガ”の消費のためには低ければ低いほどいいが、一番重要なのは、動画が停止しないこと、バッファ状態にならないことである。実際の状況を想定すると、4G回線の非CA状態であれば10Mbps以上出る。ただし昼12時台や夕方18時台の混雑時間帯には2,3Mbpsくらいになることは想定され、さらに格安SIMの状況や通信制限状態(128kbps)もありうる。流石に128kbpsは無理なので、格安SIMが時間帯によっては際限なくスピードが落ちることを想定すると、500kbpsやそれより低いビットレートを用意することは重要と思える。さらに、そこまで基準を下げておけば、残念なWi-Fi環境などにおいても役立ちそうである。

今後の課題

先に挙げたビットレートを定めるための条件を改めてみて、まだ自分の中でさっぱり解決できていないこととしては、エンコーダ圧縮性能・画質の定量評価、解像度とビットレートの関係がある。画質の定量評価は、永遠の悩みだとはおもうが、解像度とビットレートの関係(同じ1.5Mbpsで360pと720pではどちらがいいのか、など)は、動画を見る画面の大きさにも依存するところがあり、まだ答えが出ていない。

広島テレビ新社屋移転STL切替

2018年9月23日早朝 広島テレビの新社屋移転に伴うSTL切替の放送休止の記録を記す。

 

0時50分 最終番組GOINGが終了

CM等のあと、移転の旨のトリキリ画面

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その後、シンプルなカラーバー画面に。

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1時2分放送波停止し、テレビも放送波が来ていない表示に

 

数時間後、新しい、ロゴ入りのカラーバーが映った。

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放送開始6時の直前に、ネットマークになる。

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6時より、特別番組で新社屋からの放送が開始した。EPG画像や、右上局ロゴは変更がなかった。

WAVEファイルとラジオ 概要

Waveファイル、拡張子でいうと.wavは、PCM(パスル符号変調)でアナログ音声を最も単純にデジタル化した無圧縮音声ファイル形式であるので、今の時代において一般的には、”ただの音質が最高に良いファイル形式”という認識を持つ人が多くなっていると思う。

一方放送局では、テレビはさておき、ラジオではWaveのまま放送波に乗り、聴取者に届くため、常用するファイル形式である。そして放送に利用する上で必要な機能であるタイムコードやCue信号などを付加するBWFという拡張形式も存在し、実は奥の深いファイル形式でもある。

BWF

1997年にEBU (欧州放送連合)が仕様策定したこともあり、放送業界独自の技術と言って過言でない。また日本独自にBWF-Jという拡張形式も存在する。民放連の定めるラジオCM素材搬入基準は、BWF-Jである。

EBUによるBWFのドキュメント| https://tech.ebu.ch/docs/tech/tech3285.pdf

JPPAによるBWF-Jのドキュメント| http://www.jppanet.or.jp/bwf-j/jppa-1-2009_bwf-j_audio_file_format.pdf

放送に携わる皆さまへ | 一般社団法人 日本民間放送連盟

2GBの壁

4GBの壁とも呼ばれるが、Waveは32ビット記述をされており、ヘッダ内にファイルサイズを示す部分があるため、32ビットで示せないファイルサイズになることができない。符号ありの整数として解釈されることも多く、その場合2GB程度までが限界となる。Waveはビットレートとサンプリングレートを自由に決めることができるが、一般的なレートにおいては、数時間の音声で2GBに達してしまう。よって限界を超える長時間番組をファイル化することが本来できないが、BWFにより、複数ファイルを同一音声として扱うことで対応する。またWAVE64という64ビットバージョンのファイル形式も存在し、問題は解決することができる。

WAVと32bitの壁 | Harmonic-Sound

 

今後、Waveのヘッダや、BWF(BWF-J)によるファイル構造の違いを調べ、いじっていきたい。

放送技術とIT

この4月より社会人となり、同時に放送業界に関わることになった。

今まで情報科学を専攻し、趣味でもウェブ系とか、仮想化、ネットワーク系に主に触れてきた。

覚悟していた通り放送技術は本当に特殊で苦労する一方、学んできた技術・知っている知識との関わりを面白いと感じることも多い。

そこで、普通のIT好きの目線で、知名度の低い放送技術を少しずつ解説していきたい。